河合莞爾「デッドマン」



デッドマン

デッドマン


顔のない死体、胴体のない死体・・・身体の一部が持ち去られた6つの死体が都内で次々と発見される連続猟奇殺人事件が発生。鏑木鉄夫率いる個性派揃いの特別捜査班4人が捜査に当たる中、一通の奇妙なメールが届く。差出人は「デッドマン」。彼は6つの死体のパーツを繋ぎ合わされて蘇った死人であると言い、自分たちを殺した犯人を暴くために協力したいというのだが・・・。
"デッドマン"とは何者なのか!?本格ミステリの名著に挑んだ度肝を抜くラスト!



第32回横溝正史ミステリ大賞、大賞受賞作。


でまぁあらすじ読ンでもらえば本格ミステリ者ならばわかると思うのですが、本書は島田荘司占星術殺人事件」のオマージュ的作品となっております。つーか事件の展開もまンま島荘。序盤に強烈かつ幻想的な謎を提示し、真相で現実的な解決を図る・・・という本格ミステリ野郎にはお馴染みの展開。さすが大賞を受賞しただけあって、6つの死体のパーツをつなげたアゾート=デッドマンの謎とかかなり上手い作りであり全てが繋がるラストの解決とか見事と言わざるを得ないのですが・・・。


何だろ、この読了後に残るもにょっとした感じ。展開のご都合主義的なところは本格ならではのファンタジーとして全て許容するものとしても、なンつーか、本書は最初から最後まで島荘の摸倣を見せられただけのよーな感じがするンだよなぁ。作者のオリジナリティがあまり感じられなかったっつーか。いい意味でも悪い意味でも島荘のコピーと言うか。ぶっちゃけこれなら未読の島荘読むわ(´・ω・`)(おい


まぁ面白いことは面白いので、本格ミステリ者ならば読ンで損はないかと