小説感想 霞流一「羊の秘」



羊の秘 (ノン・ノベル)

羊の秘 (ノン・ノベル)


ミイラのように全身を覆う白い紙、口には矢印形の金属棒。現場を見下ろすのは、1時、2時、3時を指す3つの古時計・・・・・・武蔵野の土蔵に横たわる謎だらけの死体。絞殺された通訳の仲丸伸之は夢の表現サークルの一員だった。事件を追う古道具屋露沢は、会員の少女が直前に自殺したことを知る。しかも謎の羊頭男の写真を残して・・・。その後、事件の周辺で続々と発見される「羊」を示す暗合。殺人とはどう関連するのか?渾身のミステリネタてんこ盛りの「究極の超本格」誕生!



バカミススキーにはお馴染み、霞流一の新刊です。


密室構成のトリックが狂っている・・・。
「殺害現場の見立て」も狂っている・・・。


でも、狂人がないでしょっっっっっっっっ!!!!!


というわけで読後感は、「割と普通だったですよ?」というものでした。
つーかバカミスに毒されているので、少々のものじゃぁナントモカントモ。
まあミステリとしての様式美はいたって王道なので、安心して読めることは読めますが。
犯人特定のロジックである「消去法」もまあ肯ける論証でしたし。(そんなミスするなよ!と犯人には突っ込みたいところですけど)


つーか「紅門福助」シリーズ以外の作品はイマイチ狂気の度合いが不足しているよーな気が。
もっと狂気を!もっとバカ要素をっ!素晴らしいミステリを!
(ちなみに今までの霞作品ベストは「首断ち六地蔵」)