小説感想 北山猛邦『アリス・ミラー城』殺人事件



『アリス・ミラー城』殺人事件 (講談社ノベルス)

『アリス・ミラー城』殺人事件 (講談社ノベルス)


ルイス・キャロルの作品にちなんだ不可解な城に探偵たちが集められた。ある者は密室状況下、巨大な鏡の上で顔を溶かされた死体となり、ある者は合わせ鏡の部屋で殺され、犯人は目撃者の眼前で消失する。館内のチェス盤からは殺人の度に駒が一つずつなくなって・・・・・・。不可能犯罪に込められた驚くべき思念とは!



や ら れ た ー ッ ! !


クリスティーそして誰もいなくなった」のオマージュ作品なのですが・・・。
ミステリとしての方向性というか着地点がまったく異なっていたのが大変好感触。
つーか何ですかこのミスリードの巧みさは。
再読して伏線の巧妙さに超驚愕ですよ!
冒頭から露骨に伏線を張りながら(スゲェ!)、それを読者に気づかせないテクニックには脱帽です。
でもフェアに拘りすぎたのか、一箇所明らかに奇妙な個所がありますので気づける人は真相にあっさり気づくかもだ。


いやー話には聞いていたけど『クロック城』に比べるとほんっっっと化けたね、この人。
新作の『ギロチン城』も買おう。