小説感想 藤岡真「六色金神殺人事件」



六色金神殺人事件 (徳間文庫)

六色金神殺人事件 (徳間文庫)


保険調査員・江面直美は青森に出張の帰り、吹雪に遭い小さな町に入り込む。そこでは「六色金神祭」が行われていた。中央からタレントまで呼んだ大規模な祭だが、町は電話も不通、交通も遮断された完全な陸の孤島。そこで次々と起こる不可解な殺人事件───。宇宙開闢から大和朝廷の成立までの歴史をつづったという六色金色伝紀によれが、ここ津本は宇宙の中心であったという。異色伝奇ミステリー、書き下ろし。



お美事!お美事にございまする!


ようやくまことのバカミスにめぐり会い申した。無頼の月日、今は悔ゆるのみ…っていやもう凄かったっすよこいつぁ。久しぶりにバカミスらしいバカミスに出会えて超満足。(わかってるでしょうが誉め言葉です)


流水御大にも通じる無茶を超えた無茶な展開のミステリなのですが、"バカ"部分だけでなく"ミステリ"部分もしっかりと考えて作られているのが大変良好。でもやっぱり無茶だけど。
真相が明らかになった瞬間、もう思わず笑ってしまいましたよ。(;´Д`)
力技にも程がある、と言いたいところですが…。
さりげな〜く虚の中に実を隠しているあたり、やはり藤岡真は只者ではありません。
バカ部分に読者が注力しているスキに背負い投げを食らわすこのテクニシャンぶり。


た ま ら ん 。


あー面白かった。いやはや、傾いておりますな藤岡真。(最新作・ギブソンもこれくらい傾いていれば…ッ!)