小説感想 綾辻行人「殺人方程式 切断された死体の問題」
- 作者: 綾辻行人
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/02/10
- メディア: 文庫
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新興宗教団体の教主が殺された。儀式のために篭もっていた神殿から姿を消し、頭部と左腕を切断された死体となって発見されたのだ。厳重な監視の目をかいくぐり、いかにして不可能犯罪は行われたのか。二ヶ月前、前教主が遂げた奇怪な死との関連は?真っ向勝負で読者に挑戦する、本格ミステリの会心作!
な〜るほど・ざ・物理とりっく。
トリックの独創性、二転三転するプロット、意外性のある結末など、かなり本格作品としては良品だと思います。予想以上に面白かったですよ。
でもバカミス風味なんですけどね!
トリック実行シーンを図解で説明してくれているんですが、この図は反則だろうよ。面白すぎですもん。
実写で見たらぜってー爆笑しますって、このトリック。
ある意味古典的と言えないこともないのですが、怪しげな洋館でならともかく近代のビルでこれはシュールすぎる。
そーいや本作も「首無し死体」を扱っているんだよなぁ。
巻末の乾くるみ氏の解説にもありましたが、「バイバイ、エンジェル」「エジプト十字架の謎」などを踏まえて、新しい「切断された死体の問題」を生み出しているのは凄いと思いました。(ありそうでなかった理由だし)
うん、やっぱり首無し死体にはまだまだロマンが一杯詰まっているな。ステキだ。
まあさくさく読めますので、ヘビーなミステリにお疲れの人は読まれてみては?