小説感想 エドワード・D・ホック「サム・ホーソーンの事件簿Ⅲ」
- 作者: エドワード・D・ホック,木村二郎
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2004/09/10
- メディア: 文庫
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墓地でのピクニック中に、突如逃げるように駆け出し、川に転落した女性。駆け出した理由もわからなければ、転落現場にも、足を取られるようなものは何もない。一部始終を目撃したサム・ホーソーンさえも困惑した、この不可解な死の真相とは?(「墓地のピクニックの謎」)。自殺した男は、町長を殺したと遺書で告白していた。だが、実際に不可能状況での狙撃事件が起きたのは、その翌日のことだったのだ!(「防音を施した親子室の謎」)。その他、様々な場所で起きた様々な難事件・怪事件全12編に加え、ノンシリーズ短編の「ナイルの猫」を収録。
超安定の高レベル短編集。
本格ミステリファンとは贅沢なもの。
シリーズ1作目を読んだときにはその不可能犯罪のオンパレードに眩暈がしたものですが、3作目ともなるとかなり慣れてしまいまして(;´Д`) 上記あらすじにもあるよーな魅力的な不可能犯罪も「ふーん」という程度の感想しか持てなくなってしまいました、なんてこった…。(いや、面白いことに間違いないんですけどね)
というわけで個人的には、ボーナストラックの「ナイルの猫」が一番面白く思いました。これだけ不可能犯罪を扱ったフーダニット*1・ハウダニット*2ものではなく、ホワイダニット*3ものでしたし。そーいやシリーズ2作目もボーナストラック「長方形の部屋」が一番面白かったと思うなぁ。
ならばノンシリーズものをセレクトした短編集を出して欲しいなぁ、と願うばかりですがどうでせう東京創元社さん!でなければシリーズ4作目でも可。
過去のシリーズどれからでも楽しめますので、シリーズ未読の方は是非どれでもいいので読んで欲しいところ。ホックのトリックメーカーぶりに脱帽ですよ?