小説感想 米澤穂信「愚者のエンドロール」



愚者のエンドロール (角川文庫)

愚者のエンドロール (角川文庫)


「わたしとても気になります」
文化祭に出展するクラス製作の自主映画を観て千反田えるが呟いた。その映画のラストでは、廃屋の鍵のかかった密室で少年が腕を切り落とされ死んでいた。誰が彼を殺したのか?その方法は?だが、全てが明かされぬまま映画は尻切れとんぼで終わっていた。続きが気になる千反田は、仲間の折木奉太郎たちと共に結末探しに乗り出した!さわやかで、ちょっぴりほろ苦い青春ミステリの傑作!!



前作「氷菓」よりもミステリ度はアップ。


まあ内容は作者後書きでも触れられているよーに我孫子武丸「探偵映画」であり、バークリー「毒入りチョコレート事件」な訳なのですけど。でも「毒入り」に比べると、事件を全員が同じ条件で推理したりとか、事件の裏事情の存在(黒幕?)とか随所に工夫が見られ、コンパクトながらもよく出来ているなぁと思いました。


さらりと読める良品かと。