小説感想 島田荘司「摩天楼の怪人」
- 作者: 島田荘司
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2005/10
- メディア: 単行本
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マンハッタンの高層ビル34階、突き刺さったようなガラスのテラスが、そこにはあった。その不思議な住居の一室で死の床にあった往年の大女優が、半世紀近く前の殺人を告白し、この摩天楼の不可能犯罪の謎をコロンビア大学助教授・御手洗潔に解くよう促し、息をひきとった。女優たちの自殺、建築家の謎の爆死、時計塔の凄惨な殺人、半世紀にわたる数々の謎、そしてファントムとは誰か? ミステリ界のサミッター、島田荘司の更なる頂点!
島田御大の奇想が大炸裂!
やるなっ島田荘司。
東京創元社からの作品だから気を使った…かどーかは不明ですけれども、御手洗モノ長編としては久々の快作と言えるのではないでしょうか。今までの島田作品にありがちな「冒頭で幻想的な謎を提示」というテンプレートに従ってない作品のため、地味〜な展開を予想していたんですが…。後半で見事な奇想が炸裂しやがってくれましたよ(;´Д`) (挿入されているCGもナイス)
突っ込みどころが無いわけではないんですが(あの暗号はないだろう、とか)、サクサク読めるし、また娯楽作として純粋に楽しめた作品ですので、広くオススメしたいところ。特に島田作品に見切りをつけちゃった人とかに特に読んで欲しいところです。御大はまだまだ枯れちゃーいないっぽいですよ?