小説感想 P・G・ウッドハウス「比類なきジーヴス」



比類なきジーヴス (ウッドハウス・コレクション)

比類なきジーヴス (ウッドハウス・コレクション)


これであなたもウッドハウス中毒?


ぐうたらでダメ男の若旦那バーティーと、とんち男の召使いジーヴス。世界的に有名なこの名コンビと、オマヌケなビンゴやお節介屋のアガサ伯母さんたちが繰り広げる抱腹絶倒の人間喜劇。



時代は執事かっ!


いやー笑った笑いましたよ。といってもゲラゲラ笑うってよりはクスクス笑うってタイプですけれども。断続的に愉快にも程があるシーンが繰り出されますので、最初から最後まで微笑みを保ちつつ読了できること請け合い。


構成は連作短編風味(3〜4話程度で1つのエピソードが完結)なのですが、5〜6話あたりから感じられる既視感がまたすげぇ。「実は何十冊もウッドハウス読んだことあるんじゃねーの?」という錯覚を醸し出してきやがります。初読の人にも大いなる安心感を即効で感じさせてくれるってのは、かなり凄いことなんじゃないのかなぁ。(これを「ワンパターンなだけじゃねーかよ」と思ってしまう人は、恐らく本書と相性悪いです)


キャラクターもかなり愉快な狂人が揃っているのですけれども、バーティーのお友達ビンゴの狂気っぷりは正気ではありませんよマジ。(日本語がおかしいです) 素晴らしく愛すべきキャラで、登場するたびに笑いを誘うのですけれども、実際にこんなキャラが身近にいたら「お前はーっ!」とか言いながら首絞めてるよな(;´Д`)


ユーモア溢れる小説が読みたいなぁ、と渇望している人に最適な逸品です。ワシは大好きだ、みんなもきっと気に入るはずだっ!いやー面白かった。