小説感想 ジーン・ウルフ「新しい太陽の書① 拷問者の影」
- 作者: 岡部宏之,ジーン・ウルフ
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1986/10
- メディア: 文庫
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遥かな未来、惑星ウールスの南半球を統治する強大な<共和国>。その秩序に逆らうものは<拷問者組合>により刑罰が施される。組合の徒弟セヴェリアンは、かつて伝説的反逆者ヴォダルスの生命を救い、今また、その一味の美女の自殺に手を貸すという大罪を犯し、組合を追放された。名剣テルミヌス・エストを携えて、壮大な冒険に旅立つセヴェリアンの運命は?名匠ウルフが華麗な世界を見事に創りあげた傑作四部作、開幕編!
小説好きのための本。
ぶっちゃけますと、難易度高いです(;´Д`) (何度もページを戻りつつ読むことになると思われ)
いや、普通に読む分には何ら問題は無く、ありきたり(?)のファンタジーとして読むことができ、それだけで十分面白いんですが………。
この本にはそれ以上がありまして、行間を読む力っつーか注意深く読んでいくと気づかされる事実があると言いますか。近年のファンタジーでは世界観から何から、それこそ1から10まで全て作中で説明してくれているものが多いんですけれども、本作はその辺がまったくありません(;´Д`) よって文中から読み取っていくしかないわけなのですよ隊長どの。
つーわけで、頑張って読もうとすると酷く読者に負担を強いることになるのですが、読み取っていくと中々に愉快な事実に気づかされるわけでして、この辺のバランスが絶妙なわけなのです。(「ええーひょっとしてそーゆーこと?」的驚きがあるわけですにゃ)
まあ前述したよーに普通に読むだけでも面白いのですが、できれば頑張って読み取って、明記されていない世界観まで味わって欲しいところです。正直、万人にお勧めできる作品とは思いませんけど(;´Д`) 面白いのでワシとしてはお勧めしたい所存。でも「指輪物語」を断念した人はこれも辛いかもだ?
で、ここで白状するとですね、ワシは薄ぼんやりと読んでいたのでかなりページを戻って再読させられたり、また各感想サイトなどを回ってやっと楽しみ方を理解しました(;´Д`) ほんと難易度高いなぁ…