小説感想 米澤穂信「夏季限定トロピカルパフェ事件」



夏期限定トロピカルパフェ事件 (創元推理文庫)

夏期限定トロピカルパフェ事件 (創元推理文庫)


小市民たるもの、日々を平穏に過ごす生活態度を獲得せんと希求し、それを妨げる事々に対しては断固として回避の立場を取るべし。さかしらに探偵役を務めるなどもってのほか。諦念と儀礼的無関心を心の中で育んで、そしていつか掴むんだ、あの小市民の星を!恋愛関係にも依存関係にもないが互恵関係にある小鳩君と小山内さんは、今日も二人で清く慎ましい小市民を目指す。そんな彼らの、この夏の運命を左右するのは、<小山内スイーツセレクション・夏>───?大好評『春季限定いちごタルト事件』に続く待望のシリーズ第二弾、いよいよ登場!



本作を「短編集」として捉えれば「ちょっと微妙じゃね?」な出来だと思うけど、ひとつの長編として考える分には十分面白いと思いますですよ。まあ楽しむためには前作を読んでおく、とゆーのがマスト条件となるのですけれども(;´Д`) (作品内容も前作を読んでる、とゆーのを前提にしている節があるし)


つーか内容的には前作「春季限定」よりも薦められやすいかな?ミステリ的面白さも、キャラクター小説としても大分こなれてきた感があるし。読了まで2時間も掛からないと思うので、かる〜く読めるお手軽さもわりと良い感じ。(ワシは「エンディミオン」「エンディミオンの覚醒」の息抜きに読みました)


世評的には「ぞ、続編をっ!」的要望が多いよーですが、ワシとしては「ここで終わったほーが綺麗なんじゃね?」と思うのですがどーか。だってこれ以上は蛇足としかいいよーがないと思うんだけどなぁ・・・。(でも続編でれば読むけどさ)