小説感想 田中哲弥「やみなべの陰謀」



やみなべの陰謀 (ハヤカワ文庫JA)

やみなべの陰謀 (ハヤカワ文庫JA)


時は現代、大学生の栗原守は初対面の立秋茜といきなり宿命の恋に落ち、いっぽう過去では、下級武士の吉岡新次郎と幼なじみ・るりとの恋が悲劇的な結末を迎え、さらに未来では、大阪府知事によるお笑いファシズム体制化、レジスタンス組織が決死の知事暗殺計画を遂行しようとしていた───そしてあらゆる因果の中心には、アロハシャツの大男と謎の千両箱の存在があった………5つの物語が時空を超えて絡み合う時間SFの傑作



な、なんですかこれは(;´Д`)


絶版だったライトノベルが版元を変えてハヤカワ文庫で復刊、とゆー履歴を持つ本書。わざわざ復刊するぐらいなんだから、それなりの内容なのだろーてと思い手を出してみたのですけれども…。いや、これはちょっとラノベに対する意識が変わりましたよ。こんな変な小説もあるのな、何て懐が深いジャンルなんだ(;´Д`)


恋愛ものあり、時代劇ものあり、近未来ものありと多様な内容(そして殆どがしょーもない内容)の短編集なのですけれども、それらがラストの章で一つに繋がり、冒頭に繋がる…って構成はとっても見事。結構複雑な内容をさらりと流しているので、ぼんやり読んでると「話がよーわからん」となってしまいます、じっくり取り組むことを推奨。


あと内容以上に文体がかなり狂っている(誉めてます)ので、「肌にあわねー」って人もいるかも。購入・レンタルされる場合はちょっと流し読みし、自分にフィットするかどーかチェックすると幸せになれるかもです。


ワシは結構楽しんで読めましたよん。