小説感想 東川篤哉「殺意は必ず三度ある」



殺意は必ず三度ある (ジョイ・ノベルス)

殺意は必ず三度ある (ジョイ・ノベルス)


真相にタッチ、犯人をアウト。


のんきを絵に描いたような鯉ヶ窪学園。敗退を続ける野球部グラウンドからベースが盗まれてしまう。オレ(=赤坂通)が唯一の下級生として在籍する探偵部員の総力を結集しても謎は解けない。後日、野球部とライバル校との練習試合終盤に事件は起きた。白昼堂々、発見された野球部監督の死体に騒然となる両校関係者と捜査陣。動機は不明、球場ではアリバイ実験も行われるなど混迷をきわめる事件に、オレたち探偵部三人が事件に首を突っ込んだ。しょうもない推理合戦の先に待つものは…?



ゆるゆるのスラップスティック本格。


昨年の「交換殺人には向かない夜」で一躍名を本格ミステリ業界に馳せたんだから、もっとそれっぽい作品を出しゃぁいいだろーに…。さすがだぜ東川篤哉、デビュー作から一貫して己の信念を貫き通すその心意気、そこに痺れるあこが(以下略)。


まあデビュー作からずっと読んでいる者としては、このゆるゆる感が実にステキとしかいいよーがないんですけれどもね(;´Д`) キャラ造詣、トリック全てがゆるゆるで実に素晴らしい。(注:誉めてます)


肩の力を抜いて気楽にさらっと読めるミステリですので、移動のお供とかにどうでしょ?






個人的に作中88、89ページの部長の魂の叫びにはかなり共感しました。いや実に部長はいいキャラだな、ほんと。