小説感想 草上仁「文章探偵」



文章探偵 (ハヤカワ・ミステリワールド)

文章探偵 (ハヤカワ・ミステリワールド)


文章が犯人を暴き出す!


怪しい者は怪しくなく、怪しくない者が怪しい。
怪しいけれど怪しくなくなった者は怪しく、
怪しくないけれど怪しくなった者は怪しくない。






中堅ミステリ作家・左創作は、文章からそれを書いた人間をプロファイルする文章探偵である。彼は、審査を務める新人賞に応募された作品の中に、自分が講師をしている創作講座の生徒のものらしき作品を発見する。しかしその作品内容に酷似した殺人事件が起こり、左は文章プロファイリングを開始する。真実を述べているのは誰なのか?謎が謎を呼ぶ、不可解な展開!妙手、草上仁がしかける本格ミステリ



どうみてもバカミスです、本当にありがとうございました。


いやー、ちょっと凄いですよコレ?構成・キャラ・推理方法・オチ、全てが狂っているとゆー、まさにバカミス・ザ・バカミス。本年度バカミス大賞のど本命と言えるのではないでせうか。こんなトンキチな話を考えつくなんて、作者はナチュラル・ボーン・バカミスに違いない。(注:最上級の誉め言葉です)


つーか「文章からそれを書いた人間をプロファイルする」とゆー設定だけ聞くと「おおぅ、何だかよくわからんがすげぇ!」と思ってしまうところなんですが・・・。実際の作中における左創作のプロファイリングが、その、あの、つまり、何だ。ちょっとご都合主義やしませんか、と突っ込みを入れたくなる内容であり、「それはプロファイリングではなく単なる赤ペン先生ではありませぬか」とニコリと曖昧な微笑みを浮かべてしまいたくなるのでありますよ隊長どのっ!(少し落ち着きなさい貴方)


まあどんなプロファイリングをしているかは、読んでみてのお楽しみってことで。読了後に思わず微笑みが浮かんでしまう、奇妙奇天烈なキワモノ好きにはたまらん(注:含むワシ)内容ですゆえ、冥府バカミス魔道を彷徨うバカミスハンターには特にオススメしたいところ。


・・・・・・・・・正統派のミステリスキーにはちょっと辛いかもしれませぬゆえ、自己責任でよろしくです(;´Д`)