小説感想 竹本健治「フォア・フォーズの素数」
- 作者: 竹本健治,門坂流
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2005/10/25
- メディア: 文庫
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「フォア・フォーズ」とは、四つの4と記号を組み合わせて数字を作るパズルのこと。例えばゼロなら4+4-4-4=0、1なら(4+4)÷(4+4)=1・・・。病気のせいで外で遊べなかったボクは、この単純だけど奥深いパズルに夢中になった。しかしある日、年上の少女・エルがボクに告げた一言で、ボクがそれまでに作り上げた「四つの4」の世界は終わってしまった───。
少年が抱える孤独と絶望をリリカルに描いた表題作「フォア・フォーズの素数」をはじめ、ミステリー・SF・ホラーなど多岐にわたる作品を収録した、待望の短篇集。
ナイス短篇集っ!(ぐっ、と親指を立てつつ)
収録作全てが異色風味の短編ですので、「竹本健治=本格ミステリ書き」と思っている人にとっては「何これ?ツマンネ」と思ってしまうかもしれませんが・・・。まあそーゆー先入観を捨て去れば、かなり異形の世界を楽しめるのでないでせうか。そーっすね、「本ベス」投票者には嫌われるけど「このミス」投票者には好かれるっぽい内容とゆーとイメージし易いかな?
ワシとしてはかなり面白く読めましたよ。収録作も異色風味とはいえ、かなりバラエティーに富んでるし。何よりトリック芸者シリーズの短編が読めたのがワシ的に収穫。決めセリフ「そこはそれ・・・」は是非日常生活で使っていきたいよな。特に会社の会議で突っ込まれたときとか。(それはまずいだろ)
あとお気に入りは「白の果ての扉」かな。カレーとゆーありふれた食べ物をテーマに扱っておきながら、ここまで異形の世界を作り出すとは。ラストシーンの問いかけが実に味わい深くって最高。是非レシピを公開してください(;´Д`)
いじょ、ワシとしてはかなり面白く読めた短篇集なので、強くお勧めしておきたいところ。異色な話がお好きな方ならばきっと気に入るんじゃないかな?