小説感想 ヘレン・マクロイ「割れたひづめ」



割れたひづめ 世界探偵小説全集 44

割れたひづめ 世界探偵小説全集 44


「あたしがやるようにやってごらん、割れ足さん!」
少女の声に応えてすばやく答えが返ってきた。トン・・・トン・・・トン・・・。雪深い山中で道に迷ったベイジル・ウィリング夫妻が一夜の宿を求めた屋敷<翔鴉館>には、そこで眠る者は翌朝には必ず死んでいるという開かずの部屋があった。その夜発生したポルターガイスト騒ぎのあと、不吉な伝説を打ち消すため、くじで選ばれた男がその部屋で寝ずの番をすることになったが、30分後、突如鳴り響いた異常を知らせる呼び鈴の音に駆けつけた一同が目にしたのは、伝説どおり謎の死を遂げた男の姿だった。H・F・F・キーティング<名作100選>にも選ばれたヘレン・マクロイの後期代表作。



うーん、普通。


つーかこれと同様のシチュエーションって確かカーの作品にあったよーな気が。「赤後家の殺人」だったっけ?まあそれはどーでもいいんですけど。(トリック等は似てないと思う、確か。つーか読んだのずいぶん前なのでもう忘れたよ)


内容的には悪くないんですが、ガチの本格ミステリとして捕らえると不満がありまくり。死因の特定やらロジックの詰めやら、この辺がちょっとばかり弱いんだよなぁ。これならばウィリング夫妻出さずに、サスペンス一辺倒の内容にしておいた方がよかったんじゃね?と思ったり思わなかったりですよ。


キャラクターの描写(特に少年少女)とかに力入っている分、「本格ミステリ」としての歪な部分がみょーに鼻につくっつーか、ああもうすげぇ中途半端な印象がっ!勿体ねぇにも程があるとゆーものだっ!


読んで「つまんね」とゆーレベルではないですが、まぁ正直お勧めはしにくい作品。(ワシ的にはね)
マクロイファンならばどぞ。