小説感想 ヘンリー・セシル「判事とペテン師」



判事とペテン師 (論創海外ミステリ)

判事とペテン師 (論創海外ミステリ)


謹厳な判事と敬虔な牧師。尊敬すべき二人の共通点は、なんと<競馬>だった!さらに、判事の息子は決して誇れることのない悪行を生業としていた・・・。
自身も法廷弁護士、そして判事という職歴を持つ法廷ミステリの名手セシルが、法知識をふんだんに盛り込みながらもユーモラスに綴る、判事とペテン師の親子二代記。



とてもとても良いユーモア小説。


創元推理文庫「メルトン先生の犯罪学演習」を読んでヘンリ・セシルのファンになったのですが、本書もまた魅力溢れる内容でかなり楽しませてもらいました。長編のスタイルをとってはいますが、内容としては幾つものエピソードを重ねていくっつー連作短編ちっくな作り。ミステリ色も殆ど皆無なのですが、読んでいてすげー楽しいんですよね〜。全編に渡って溢れるユーモアが実に心地いいんだよなぁ。いかにも「ザ・英国小説」って感じ。(伝われこのニュアンス!)


ちょいと渋い内容なので、正直万人受けする内容とはとても思えないのですが(;´Д`) でも面白かったので、ワシ的にはお勧め。