小説感想 古野まほろ「天帝のはしたなき果実」



天帝のはしたなき果実 (講談社ノベルス)

天帝のはしたなき果実 (講談社ノベルス)


90年代初頭の日本帝国。
名門勁草館高校で連続する惨劇。
子爵令嬢修野まりに託された数列の暗号を解いた
奥平が斬首死体となって発見される。
報復と解明を誓う古野まほろ
吹奏楽部の面子のまえで更なる犠牲者が!
本格と幻想とSFが奇跡のように融合した青春ミステリ。



うむ、バカミスですな。


つーかぶっちゃけ「流水大説」と同じ臭いがしてならぬのですけども(;´Д`)


あまりにも狙いすぎたキャラ(ツンデレヒロイン、姉御、妹系後輩、お嬢などなど)は「これなんてエロゲ?」とぼそりと突っ込みを入れたくもなるし、また作中で繰り出される言語のセンスやネタのチョイスは生暖かい笑みってゆーレベルじゃねーぞ!的忍耐を必要としますが、まあこの辺は別にいいです。100ページも読めば慣れるし。なぁに、かえって個性がある。(そーか?)


一応作中で「読者への挑戦状」らしきものも挿入され、解決編もそれなりのロジックが展開されるため本格度はそれなりに高いのですが・・・。伏線(?)がびみょーに消化されないものもあるし、また最終章は「ちょwww何これwww」とゆーレベルの展開を見せやがってくれますため、間違ってもガチの本格を期待して買ってはいけません。うかつに触るとやけどしますよ?この本が「メフィスト賞」受賞作、とゆーことをくれぐれもお忘れにならないよーに。


キワモノ系好きな人には大ウケすると思いますです。(注:ワシ含む) ・・・いや、でも最近の新本格ファンの若者ならこの内容も普通に受け入れられるかもしれんな・・・。とりあえず流水大説(JDCシリーズ)を読んでもニッコリと笑みを浮かべられる人ならば楽しめると思いますよ?ってそれはかなりハードル高いよーな気がするな(;´Д`)


まあ興味のある方は突撃してみるといいと思いますぜ。ワシは少なくともこの人の次回作も買う予定っす。