小説感想 ロバート・J・ソウヤー「イリーガル・エイリアン」



イリーガル・エイリアン (ハヤカワ文庫SF)

イリーガル・エイリアン (ハヤカワ文庫SF)


人類は初めてエイリアンと遭遇した。四光年あまり彼方のアルファケンタウリに住むトソク族が地球に飛来したのである。ファーストコンタクトは順調に進むが、思いもよらぬ事件が起きた。トソク族の滞在する施設で、地球人の惨殺死体が発見されたのだ。片脚を切断し、胴体を切り裂き、死体の一部を持ち去るという残虐な手口だった。しかも、逮捕された容疑者はエイリアン・・・・・・・・・世界が注目するなか、前代未聞の裁判が始まる!



読む前のワシ → 「ファーストコンタクト+法廷ミステリ?ちょwwwどこのバカミスだよwww」


読了後のワシ → 「こ、こは何事?ち、ちがう!こはバカミスなどではあらぬ!」


つーか後半の怒涛の展開には正直度肝抜かれましたぜ。序盤からはまったく予想のつかぬロケットで突き抜けた展開にワシ大喜び。張り巡らされた伏線が見事に収束するSF要素を盛り込んだ解決編にゃぁ、ワシのような偏屈なミステリ読みも思わずニッコリといい笑顔を浮かべてしまうってものですよ。
ぬぅ、序盤がバカミス風味(法廷にエイリアンがいるっつーシュールな光景が笑いを誘います)な展開なのは後半のこの展開のためだったのかッ?




・・・ソウヤー・・・恐ろしい子・・・!




法廷サスペンスとしても一級品、本格ミステリの味付け、そしてかつファーストコンタクトものとしても文句のないデキであるっつー何ともごーじゃす極まりない傑作。ワシとしては手放しで絶賛したい作品でございます。(ラストがまたグッとくるんだこれが) ささ、未読の方は是非に。






・・・でも全体見渡してみるとやっぱりバカミスのよーな気がするなぁ(ぼそり)