小説感想 フレドリック・ブラウン「さあ、気ちがいになりなさい」




地球を襲う怪事件、悪魔と坊やの激闘、謎の惑星に潜む罠などなど12篇の愉快にして奇々怪々な作品が大集合。華麗かつ奇天烈、そのアイデアとテクニックでは並ぶものなき天才の作品集。



傑作。つーか神。


ワシのツボを「これでもかっ!これでもかっ!」とばかりに突きまくられてしまった以上は本書を神認定するしかねぇ、とゆーものです。久々に出会った「何かこれ、ワシのために書かれた本じゃね?」と思ってしまった作品。読んでる最中は「ほへー」とただただブラウンの短篇世界に圧倒されておりました。


これ何のコント?と突っ込みを入れたい「ぶっそうなやつら」、バカSFにも程がある「おそるべき坊や」、ラストの叙情性が素晴らしい「雷獣ヴェヴァリ」、ホラーちっくな「帽子の手品」、「沈黙の叫び」、そして予想もつかぬ展開の表題作「さあ、気ちがいになりなさい」など、収録作も実にバリエーション豊かな内容。きっと何か一つは読み手の心に強烈な何かをもたらす作品があるはずだと思います、それだけでもきっと「本書を読んでよかった・・・ッ!」と心から思えるはず。はずだ。そーだといいなぁ。(徐々に弱気に)


とにかくワシにとっては最高に楽しめた作品。小説好きなら、本書をスルーしておくにはあまりにも勿体ないとゆーものですよ?ささ、是非是非。