小説感想 アンソロジー「バカミスじゃない!? 史上空前のバカミス・アンソロジー」



バカミスじゃない!?―史上空前のバカミス・アンソロジー

バカミスじゃない!?―史上空前のバカミス・アンソロジー


このミステリーがすごい!」の人気コーナーから、歴史的アンソロジー誕生!


霞流一鯨統一郎鳥飼否宇ら、「このミス」常連組の最新作。ミステリー界の重鎮、辻真先の奇想天外な怪作。山口雅也が独自の完成を爆発させた異色ハードボイルド。戸梶圭太の痛快写真小説。日本を代表するシャーロキアン、北原尚彦のホームズ・パスティーシュ。船越百恵のユーモア中編。WEB上で話題沸騰中、かくたかひろの新感覚ショートショート


実験&遊戯精神にあふれた怒涛の作品群。



これはとてもいいカオス。だ、だけど・・・ッ!


もう表紙からして「素人は手を出すな!火傷するぜ?」的オーラが感じられ、何ともバカミスアンソロに相応しい狂気っぷりなのですが・・・。いかんせんちと内容が地雷気味に感じられたのはワシだけかっ? つーか正直、重度のバカミス好き以外にはオススメできないよコレ(;´Д`) バカミス耐性が無い人が読んだら

      ヽ)ノ_,  
      l⌒ll⌒il  << #)つ コンチクショウ
       ⌒''⌒    しヘ  \
       バシッ ヽ/   (_ヘ__)
           ☆



となってしまう恐れがありますので、トライする際には重々ご注意をば。つーかまぁ、こんなブツに手を出すのは重度のバカミススキーだけか。(だよね?) ならばノープロブレム問題なしですにゃ。


で、ワシの感想ですけれども、鳥飼否宇氏の「失敗作」だけで十分過ぎるほどに値段分の元は取れました。確かにこの短篇、このアンソロじゃなきゃ収録は不可能だよなぁ。読了直後、「何だかわかりませんけど、とりあえずごめんなさい」とこの場にいない誰かに謝りたくなってしまったのはここだけの秘密でございます。つーか鳥飼氏、マジ天才じゃね?とゆーか良心の歯止めが無い人なんじゃね?こんなネタ、思いついても即ボツですよ普通・・・。


あとは山口雅也氏の「半熟卵にしてくれ、と探偵は言った」と辻真先氏の「長篇 異界活人事件」がお気に入りかな。船越百恵氏の「乙女的困惑 girlie puzzlement」のスラップスティックな笑いも結構ツボでした。あ、あと編者・小山氏による作家紹介文もスルーするには勿体無いほどの面白さでしたぜ。他の作品については・・・その、なんだ、あれだ、察しろ。 それが人の道だと思うんだ、ワシは。


・・・まぁ、正直あまりオススメしませんけど、「バカミス」が大好きな人ならば一読の価値はあるかと。広い心を持って本書に接しませう。