小説感想 P・G・ウッドハウス「それゆけ、ジーヴス」



それゆけ、ジーヴス (ウッドハウス・コレクション)

それゆけ、ジーヴス (ウッドハウス・コレクション)


愚者たちの楽園───笑いの古典、巨匠と認められたコミックの天才との賛辞を賜る大ウッドハウスのおマヌケ千万なおバカ者列伝。



今更ながら思った。「ジーヴスも立派な狂人だ」と。


ウッドハウス・コレクション第3回配本の本書、今回は短編集でございます。長篇では余すところ無くそのおバカな魅力をばら撒きまくるバーティーさんですが、短篇とゆーことで大分ブレーキ補正がかかっているところがワシ的にはちと残念。「バーティーさんが首突っ込めばもっと愉快なことになるのになぁ」と思ってしまうワシなのですが、まぁページの都合もあるしそれも仕方ないことか。その代わり、バーティーさんの友人たちが一様におバカ揃いで大変愉快極まりないので何ひとつ問題はないんですけども。


つーか今回はラストの収録作「バーティー考えを改める」のクオリティーが異常。ジーヴス視点(!)で進められるこのお話、策士かつ「どーみてもSな性質の人です本当にありが(以下略)」なジーヴスさんの立ち回りっぷりにゃぁ惚れるしかあるめーよ。つーか調教ってオイ(;´Д`)


というわけで、今回も大いに楽しみましてございます。愉快愉快。