小説感想 バリントン・J・ベイリー「禅銃<ゼン・ガン>」




栄耀栄華をきわめた銀河帝国は、いま黄昏を迎えていた。隠しようもない頽廃と風紀の紊乱が全てを多い、激減した純人間を補うため、宇宙艦隊ですら大量の動物を乗組員にしているほどだ。そんなある日、エスコリア星域に恐るべき究極兵器が出現、帝国は危急存亡の時にある、との<託宣>があった。事態を重視したアーチャー提督は麾下艦隊を率いて調査に赴くが、一行が発見したのは、人猿混合のキメラが手にした古色蒼然たる拳銃<禅銃>と、それに寄りそう伝説の超戦士<小姓>の謎めいた姿だった!英SF界の鬼才が奔放なアイデアで描く傑作ワイドスクリーン・バロック



なんというサイエンスフィクション・・・っ!


つーかぶっちゃけ、カオス極まりない作品だと思いました(;´Д`)


冒頭から「ここはどこのわくわく動物ランドですか?」とゆーシチュエーションだし、世界観をよーやく掴めたかと思ったかと思いきや「禅ガン」だの「小姓」だのと東洋の神秘・ジャパニーズちっくな要素を繰り出してきやがりますし、挙句の果てには哲学趣味(つーか禅)、そして奇想の極み「後退理論」ですよ。もうですね、あまりにもアイデア盛り込みすぎてわけわからんですよマジ。この「とりあえず詰め込んどけ」とゆー作者の創作スタイルにはガチで脱帽。大して長い話でもないのに、このネタ濃度はちょっと異常だぜ・・・。


なんつーか、ワシが幼少時に漠然と抱いていたSF観にとても近いものを感じましたので、個人的にはとっても気に入りましたよ。中々に読みやすく、また奇想も十分過ぎる程ですゆえ、ワシ同様SF素人な方に特にオススメしたいところ。