小説感想 石崎幸二「首鳴き鬼の島」
- 作者: 石崎幸二
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2007/08
- メディア: 単行本
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お知らせしたいのは、あなたのご両親のことです。施設で育ったあなたは、ご自分のご両親のことはご存じないかもしれません。そのご両親のことで、大変重要なことをお知らせしたいのです。
相模湾に浮かぶ、竜胆家の私有地・頸木島は、「首鳴き鬼」の伝説から、首鳴き島と呼ばれていた。首を切られた鬼の身体が首を求めて鳴きながら彷徨うという伝説だ。若者向け情報誌の怪奇スポット特集の取材で、ガールフレンドの茜とともに島を訪れた編集者・稲口は、後継者問題で一族が集まる頸木島の頸木館で、伝説に見立てた連続殺人事件に巻き込まれた・・・。
うむ、レーベルが変わろうと久々の新作だろーと石崎氏は石崎氏のままだったぜ!
講談社の一連のシリーズとは差別化を図ろうとしたのか、さすがに雰囲気を変えようとした節があちらこちらに感じられました。そしてそれはある程度成功しているよーに思えるのですけど、そこはそれ蛙の子は蛙。石崎氏は石崎氏。レーベルが変わろーが、久々の新作だろーが、主人公のキャラ造詣はどこをどーみても石崎キャラとゆーしかないキャラであり、「これぞ石崎氏の持ち味よ」と安心して読み進めることができましたよ。(つーか連続見立て殺人事件が起きているっつーのに何だこの微妙なユーモア感は)
素晴らしく読みやすく、またトリックも結構な大仕掛け(?)で大変楽しめたのですけど、いかんせんちと解決編がちょっと整理しきれてないかなー。文章だけでなくイラストとかも入れてくれれば、もっとスッキリわかったと思うのに。その辺が個人的にちと残念です。(ま、ワシの理解力がないだけと言われればそれまでなんですけど・・・)
氏のファンならば安心して読むことができる作品かと。この調子で講談社の方のシリーズも新作お願いします、しますよぅ。