小説感想 赤城毅「書物狩人」



書物狩人 (講談社ノベルス)

書物狩人 (講談社ノベルス)


世にでれば、国を、政治を、歴史を揺るがしかねない秘密をはらんだ本を、合法非合法を問わず、あらゆる手段を用いて入手する。その存在は謎に包まれ、彼らの活動が表に出たことは一度もない───書物狩人。バチカンから獲得を依頼されたギリシア語写本やナポレオンの旧蔵書・・・。書物狩人が鮮やかに稀覯本に隠された物語を紐解く!書誌愛好家必読!!



うは、何と言うB級・・・っ!


「書物狩人」っつー設定を聞くだけで「やぁ、これはよいB級ですね」と思ってしまう安い(注:もちろん誉めてます)アイディアを、結構な濃いネタとキャラによって保管することで良作のエンターテインメントに仕上げているのはさすが赤城氏。ペダントリーなどをもっと駆使すれば、もちっと高尚な内容にできたであろーに、その辺を極力抑え「いかにして読者を楽しませるか?」という一点に傾注するその創作姿勢にはほんと頭が下がりますぜ。実に面白かったですよ!


漫画の「マスターキートン」とか「ギャラリーフェイク」とか、そーゆー作品がお好きな方なら気に入ると思うよん。