小説感想 津原泰水「ルピナス探偵団の当惑」



ルピナス探偵団の当惑 (創元推理文庫)

ルピナス探偵団の当惑 (創元推理文庫)


二十世紀も黄昏の、ある晩秋に起きた殺人。たわいもない筈のその事件には、一つ奇妙な謎が残されていた。私立ルピナス学園に通う吾魚彩子は、かつてうっかり密室の謎を解いてしまったために、刑事である奇矯な姉に無理やり現場写真を見せられ、推理を強要される。なぜ犯人は殺人ののち、現場で冷えたピザを平らげたのか───(「冷えたピザはいかが」)。青薔薇の館に残された、鏡文字のルビ付きダイイング・メッセージ。死体から右手を切り取られた大女優。博学の少年・祀島らと遭遇する不思議な事件の結末は?少年少女が織りなす謎と論理のセッション。清冽な印象を残す佳品三編を収める。



個性際立つキャラクター良し、読ませる文体も良し、漂うユーモア感も良し、謎とロジックのバランスもまた良し、そしてびみょーにボーイ・ミーツ・ガールものであるとくれば、ワシとしては「面白かったです」とゆー以外の感想を持ちようがありませぬ。


・・・つーか面白いことは面白いんだけどさ、重厚さがまったくない(さっくり読めるお手軽さはいいけど)本格ミステリなので、あんまり心に残るものが無い気がするんだよなぁ・・・。手堅くまとまり過ぎた分、いまいちインパクトに欠けるっつーか。何か1ヶ月ぐらいしたらもう内容忘れてる気がするよ(;´Д`) まぁその分再読する楽しみがあるっちゃーあるんだけど。


まぁ前述したよーに、悪くないっつーか面白いことに間違いはない作品ですゆえ、「重厚なミステリ以外は何一つ認めんっ!」っつー考えをお持ちでない方ならば、普通にオススメできる内容かと。