小説感想 米澤穂信「遠まわりする雛」



遠まわりする雛

遠まわりする雛


神山高校で噂される怪談話、放課後の教室に流れてきた奇妙な校内放送、麻耶花が里志のために作ったチョコの消失事件───<省エネ少年>折木奉太郎たち古典部のメンバーが遭遇する数々の謎。入部直後から春休みまで、古典部を過ぎゆく一年間を描いた短編集、待望の刊行!



古典部シリーズ最新刊は短編集。ミステリとしてはちょいと軽めかな?とゆー気がしないでもないですが・・・。しかし古典部の面々を描いた青春小説としての味わいと、ミステリ要素が巧くマッチしている為、不満を持つっつーほどでもないかな。本書は、キャラクターで楽しむ人も、ミステリ部分を楽しむ人も、どちらにとっても面白く読める内容だと思われます。


収録作の中では、日本推理作家協会賞短編部門の候補にもなったとゆー「心あたりのある者は」がお気に入りかな。ケメルマン「九マイルは遠すぎる」を彷彿とさせる内容で、論理展開の美しさに惚れ惚れしましたぜ。


しかし・・・ラスト、そっちの方に持っていきますか。うーん、ワシとしては古典部シリーズはそーゆー方面には進んで欲しくなかったんだけどなぁ・・・。でもまぁ、折木奉太郎の成長ものとして古典部シリーズを見るならば、それも致し方ないことか。とりあえず次回作も期待っす。