小説感想 ジェフリー・ディーヴァー「12番目のカード」



12番目のカード

12番目のカード


ハーレムの高校に通う十六歳の少女ジェニーヴァが博物館で調べものをしている最中、一人の男に襲われそうになるが、機転をきかせて難を逃れる。現場にはレイプのための道具のほかに、タロットカードが残されていた。単純な強姦未遂事件と思い捜査を始めたライムとサックスたちだったが、その後も執拗にジェニーヴァを付け狙う犯人をまえに、何か別の動機があることに気づく。それは米国憲法成立の根底を揺るがす百四十年前の陰謀に結びつくものだった。そこにジェニーヴァの先祖である解放奴隷チャールズ・シングルトンが関与していたのだ・・・。"百四十年もの"の証拠物件を最先端の科学捜査技術を駆使して解明することができるのか?ライムの頭脳が時空を超える。



さすがディーヴァー、とゆークオリティなんだけど・・・。


まぁシリーズ前作「魔術師」ほどのテンションを持つ内容ではなかったのがちと残念。それでも500ページ強の長編をだれることなく読ませてくれるので、ワシとしては十分に楽しませてもらいましたよ。現在と過去の事件を融合させるとゆーストーリー展開もさすがディーヴァー、豪腕ストーリーテリングっぷりとお馴染みどんでん返しっぷりで、予想もつかぬ展開を見せやがってくれます。シリーズキャラクターのセリットーが心の闇(?)のよーなものを抱え込んでしまい、それをどう乗り越えていくかっつー展開も読み応えがあって実に素晴らしいの一言。


んー、でも正直ちょっと物足りなかったんだよなぁ(;´Д`) なんだろ、「ライムVS犯人」の知能戦とゆー感じがあんまりしなかったからか?ま、その点に重点を置いた内容ではないので仕方ないっちゃーないんだけど。


でもまぁ、面白いことに間違いはないのでシリーズファンはもちろん、シリーズ未体験の方も安心してどぞ、と言える作品かと。(でも文庫落ちしてる「ボーン・コレクター」から入るのが一番かな)