小説感想 山口芳宏「雲上都市の大冒険」



雲上都市の大冒険

雲上都市の大冒険


昭和27年、東北の鉱山街・四場浦鉱山の奥底の地下牢で、ひとりの男が20年来の復讐の炎をたぎらせる。そして巻き起こる連続殺人事件。脱出不可能な地下牢から男はどう脱獄したのか?事件を解き明かすために、眉目秀麗で気障な荒城咲之助、近未来的な義手を持つ真野原玄志郎、さらに弁護士の私・殿島直紀が驚愕の脱出トリックに挑む。独特なキャラクター造型と、奇抜なトリック、抜群のリーダビリティで贈る、新たな本格ミステリ登場。



どーみてもバカミスです。本当にありがとうございました。


つーかもうね、真相が明らかになった瞬間「ねーよwww」と思わずツッコミ、口あんぐりですよ。同じよーな思いをしたのはワシだけではないと信じたい。いやー、もう久々に拝ませてもらったぜこんな無茶トリック・・・!一応伏線らしきものは張っているんですけど、わかってたまるかこんなもん!(と言いつつもとても嬉しそうな笑顔で) 現実世界ではゼッタイにありえないネタであるとは思いますが、まぁ探偵小説としてのネタならばありっちゃありかなぁ、と無理矢理自分に言い聞かせてみる罠。ほんと犯人のタフガイっぷりにゃぁ頭が下がるぜ・・・!このトンデモネタを拝むだけでも、バカミス好きならば手を出してもよろしかろうと思われまする。


また登場する探偵もそれぞれ個性があってステキ。とくに義手探偵の真野原は「どこの改造人間だよ」とゆー便利義手を多用し、かつ真相解明時に奇声をあげて走り回るとゆー縦横無尽のキチガイっぷり発揮しているステキ極まりない狂気っぷり。素晴らしいの一言に尽きますぜ。


つーわけで、バカミス好きならば必読と言ってもよいかと。デビュー作でこれならば、次回作はかなり期待が持てるかもしれんな!この路線を突っ走ってくれるならばワシとしてはもう何もゆーことはないんだけど・・・。