小説感想 近藤史恵「サクリファイス」



サクリファイス

サクリファイス


勝つことを義務づけられた<エース>と、それをサポートする<アシスト>が、冷酷に分担された世界、自転車ロードレース。初めて抜擢された海外遠征で、僕は思いも寄らない悲劇に遭遇する。それは、単なる事故のはずだった───。二転三転する<真相>、リフレインの度に重きを増すテーマ、押し寄せる感動!青春ミステリの逸品。



自転車ロードレースを舞台にしたミステリ、っつー聞いただけでは「???」なシロモノなのですが、読んで驚愕&納得。こいつぁ確かにちゃんとミステリしてましたぜ。ミステリ要素がまったく浮いていず、きっちり自転車ロードレース、っつー特殊(?)なスポーツと密接に絡み合っているのはほんとびっくり。つーか職人芸ですよこれは。やるな近藤史恵氏。(どの辺がミステリしていたかはネタバレに直結しそうなのでスルー)


真相の驚愕っぷり、読了した後にじわじわと身にしみる「サクリファイス」というタイトル、250ページ弱な話でありながら大変コンパクトにまとまっているとっても素晴らしいお話でありました。ちょいと重たいながらも後味よい感動を得られますので、こいつぁ是非読んでもらいたい作品でございますですよ。オススメですぜっ!