小説感想 飯野文彦「バッド・チューニング」



バッド・チューニング

バッド・チューニング


自称・Bワン探偵の私が事務所兼自宅マンションで目にしたのは、新宿のピンクサロンで知り合った加奈子の死体だった。下だってべろんべろんよ。頸から下の皮を剥かれた遺体を部屋へ運び込んだのは誰か?自称・Bワン探偵の直感は、私をマンションの管理人へと導く。おれの絞りたての濁り酒。だが、自称・Bワン探偵にとっても遺体の処理は問題だった。私は、物言わぬ彼女の熱い想いに応えてやることにした。おれの一物は野球のバット並み。剥きたての桃にまぶされる自称・Bワン探偵の精液。私は彼女をユニットバスで洗い清めてあげることにした。寒いよ、寂しいよ。立ちこめる蒸気の中、茹だった彼女の肉。自称・Bワン探偵の私の手には、包丁の白銀の輝き。ただいっしょにいたいから・・・それは地獄の始まり。



うん、狂ってるね!(とてもやつれた笑顔で)


つーか読了後、ここまで内容の毒気に当てられたのはほんと久しぶり。まさか読了直後に即癒しを求めて次の本を漁るハメになるとは・・・ッ!これはなんちゅーか、正直読み手を選ぶっつーレベルじゃねーぞ!と言わざるを得ない。(割とマジに)


ノワール的な何かをエロとグロでミックスし、ホラーで味付けしたよーな混沌きわまる内容に、狂気とゆースパイスを「これでもくらえっ!」とばかりに投入していますので、その辺の耐性がない方が手をつけると嫌悪感しか持てないかなー、とゆー気が致します。つーか絶対に嫌悪感を持つよ。(あえて断言) 割とその辺の耐性には自信があったワシでも「こ、こいつぁ・・・ッ!」と毒気にかなり当てられてしまいましたし。・・・ってまぁそれだけこの本の内容がある種のパワーに満ちていると言えるのでしょーけど。


「このミス」ランクイン作品、っつーだけで手を出すと火傷間違いなしな作品ですけど、「とにかくインパクトのある話が読みたいんじゃい!」とゆー方にはまぁオススメできるかなぁ。読んでその怪作っぷりに驚愕するがよいよいよい。