小説感想 ジャック･カーリイ「デス･コレクターズ」

デス・コレクターズ (文春文庫)

死体は蝋燭と花で装飾されていた。事件を追う異常犯罪専従の刑事カーソンは、30年前に死んだ大量殺人犯の絵画が鍵だと知る。病的な絵画の断片を送りつけられた者たちが次々に殺され、失踪していたのだ。殺人鬼ゆかりの品を集めるコレクターの世界に潜入、複雑怪奇な事件の全容に迫っていくカーソン。彼を襲う衝撃の真相とは？

うは、割と普通。


前作「百番目の男」における衝撃の動機で読者の度肝を抜き、ワシの心をがっちりと鷲掴みにしたカーソンですが、本作では前作とは方向性を180度転換。割とまともなサイコサスペンスものとして仕上がっておりました。個人的には「今回は何をやらかしてくれたんだろうなぁ･･･？」とドキをムネムネさせて読んだので、ちょいとばかし肩透かしを食った感が無きにしも非ずとゆーところなのですが、まぁそれはワシの勝手な思い込みなのでどーでもいいことですな。犯人の以外性や伏線の張り方などかなり配慮された作りになっているので、（前作のインパクトによる思い込みから脱却できてれば）ふつーに十分満足できる内容かと思われます。


つーわけで前作「百番目の男」の印象をキレイサッパリ忘れてから取り掛かるが吉。