小説感想 芦辺拓「真説ルパン対ホームズ」




時は一九〇〇年、花の都パリにて十一年ぶりに開催された万国博覧会。衆人環視の中、花形女優マダム貞奴から堂々と首飾りを盗んでみせた若き怪盗紳士アルセーヌ・ルパンだが、身に覚えのない別の窃盗の罪を着せられてしまう。彼を追うのは英国より招聘されたかの偉大なる名探偵。怒り心頭で汚名雪辱を誓うルパンとホームズの対決やいかに。繁華なる都を舞台に展開する陰謀、翻弄される探偵と怪盗の反撃は───表題作を始め、本格の雄・芦辺拓が才と愛情を注いだ、名探偵に捧ぐ八つの絢爛たるパスティーシュ



いかん、ニヤリ笑いが止まらねぇ・・・!


つーかこれはとてもいいパスティーシュっつーかバカミスですよバカミス。「真説ルパン対ホームズ」は「<対>と銘打ってる割にはあまり<対>してねーじゃん!」とゆーツッコミを入れざるを得ないんですが、他の収録作があまりにも楽しすぎです。とりわけ、「大君殺人事件 またはポーランド鉛硝子の謎」とか「<ホテル・ミカド>の殺人」とか、暴走が過ぎるにも程があるっつーほどの暴走っぷりでワシもう大喜びそして大笑い。豪華キャスト過ぎるにも程があるっちゅーねん!いやもう、ここまで来ると謎とかトリックとかどーでもよくなってきますな。(割と暴言) いやー、海外古典ミステリファンにはこーゆー話はたまりませんのぅ。


まぁ内容が海外古典とか国内古典からのパロディばっかりなので元ネタがわかんない人にとっては「???」なだけの話ばっかりだと思うのですが、ネタを知ってる人間にとってはとっても愉快な作品ばかり。つーかそんなにディープなミステリ読みでなくても「あ、知ってるよ」とゆーものばっかりだったので、別に気後れせずにまずは読んでみればいいじゃない!と思ったワシなのでしたとさ。