小説感想 グレッグ・イーガン「ひとりっ子」



ひとりっ子 (ハヤカワ文庫SF)

ひとりっ子 (ハヤカワ文庫SF)


「この子がわたしの娘なの。生まれるのがほんの何年か遅くなったけれど」───待望の第一子となるはずだった女の子を失った科学者夫婦が洗濯した行動とは!?子どもへの"無償の愛"を量子論と絡めて描く衝撃の表題作、星雲賞を受賞した数学SFの極北「ルミナス」、著者が追求しつづけるアイデンティティ・テーマSFのひとつの到達点「ふたりの距離」など、本邦初訳2篇を含む7篇を収録する、日本オリジナル短篇集第3弾。



イーガンと言えば現代ハードSFの第一人者であるっつーのはSFをかじり始めたワシでも知ってることなのですが・・・、いや、中々どーして、割と読みやすかったですよ本作。SF的ガジェットは確かに難易度高いものが多かったけど、ストーリーそのものは割とわかりやすいものばかりだったゆえ、思ったよりすんなりと頭に入っていきましたし。これはワシが既に既刊短編集2作を読んでいるからイーガンに慣れた、ってことじゃないものだと思うので、「イーガンって難しそうだしなぁ」とか思っている人は短編あたりから手を出してみるといいかもだ。


収録内容的にはほぼアイデンティティの追求といったものがテーマとして使われているのですが、その追求っぷりがハンパではないので「よし、まずわかったから心療内科にいって相談しろ」とゆーべき偏執的な妄想(?)に捕らわれた人たちがあーだこーだと議論しているのを読んでると何だかちょっと愉快な気持ちになってしまうワシは恐らくSFを読んではいけない人なんだな、きっと orz


でもSF楽しいから今後も頑張って読むよ!イーガンは現時点であと「順列都市」を残すのみになったよ!奇想コレクションから出るイーガンの短篇集まだかなまだかな〜