小説感想 コニー･ウィリス「最後のウィネベーゴ」

最後のウィネベーゴ (奇想コレクション)

愛するものを失う痛みと、滅びゆくものへの哀惜、そして赦し。犬が絶滅してしまった近未来のアメリカで孤独な男が出逢う、ささやかな奇蹟･･･。読後に深い余韻を残す表題作から抱腹絶倒コメディまで、アメリカSF界の女王ウィリスのベスト･オブ･ザ･ベスト4本を厳選する傑作集。ヒューゴー賞･ネビュラ賞･SFクロニクル誌読者賞･ローカス賞他、収録作4篇あわせて全12冠。

コニー･ウィリスはこれが初トライとなります。つーわけでウィリスの作風も何も知らないゆえに、割と先入観無しで望んだのですが･･･すげぇなこの人、芸風広すぎじゃね？悲哀系の話からコメディ系の話までクオリティ高いのにゃぁ驚きですよ。･･･でもコメディ作品のほーが作者的にテンション高い気がするのはワシの気のせいなのか果てさて。収録作「スパイス･ポグロム」のネタの散りばめっぷりにゃぁ悶絶するしかねーですよ。あと「女王様でも」の家族会議の模様も微笑ましく（？）ってステキ。


また、表題作「最後のウィネベーゴ」や時間SF「タイムアウト」は哀惜感が素晴らしく、読後はほんと深い余韻に浸ることができました。SF度は「すこし ふしぎ」程度なので、変に身構えることなく読み通せるゆえに広くオススメできるんじゃないかなぁ。


とりあえず他のウィリス作品も何か読んでみよっと。