小説感想 タニス・リー「悪魔の薔薇」



悪魔の薔薇 (奇想コレクション)

悪魔の薔薇 (奇想コレクション)


耽美華麗にして陰惨沈鬱、退廃的で官能的な幻想怪奇の饗宴。<現代のシェへラザード姫>の異名を誇るダーク・ファンタジー界の女王リーが語る9つの物語。世界幻想文学賞受賞作を含む収録作全篇初訳!



奇想コレクション、第12回配本。タニス・リーはこれが初トライですよ。・・・ま、まぁどの辺がダークかはいまいちピンと来なかったけど・・・。うん、中々のファンタジーっぷりでワシとしては満足いく内容でしたぜ。幻想的かつ耽美な要素がふんだんに盛り込まれており、また語り口も巧妙で雰囲気ばっちりでございました。


個人的には前半に収録されている作品よりは後半の収録作のほーがツボだったかな?恐らく編者が意図的に並べたのだと思うのですが、前半と後半ではちょっと作風(作品の傾向って言えばいいのかな)が異なるセレクトになっているので。(前半は幻想強め、後半はストーリー性強め)


「美女は野獣」「青い壺の幽霊」あたりがワシとしてはツボにどんぴしゃりでした。あと表題作「悪魔の薔薇」は素で外道な話だと思ったんですがどうか。(このオチはちょっと酷くね?・・・ああ、なるほど、だからダークファンタジーなのか)


人を選ぶ・・・よーな話もあるこたーあるんですが、割と読みやすい&適度な奇想なので取っ付きやすさはピカイチかと。面白かったっすよ!