小説感想 エラリー・クイーン「ナポレオンの剃刀の冒険 聴取者への挑戦1」



ナポレオンの剃刀の冒険―聴取者への挑戦〈1〉 (論創海外ミステリ)

ナポレオンの剃刀の冒険―聴取者への挑戦〈1〉 (論創海外ミステリ)


動く密室と化した列車内で男が殺された。容疑者は七人。
しまもあるはずの宝石がなくなっており、車内のどこを探しても見つからない・・・。
巧みなトリックとエラリーの名推理を堪能できる表題作を始め、
国名シリーズを彷彿させる傑作シナリオ八編を収録。
クイーン警視、ヴェリー部長刑事、ニッキイ他おなじみのメンバーも登場する
本格ミステリ。全編<聴取者への挑戦状>つき!
ラジオ版「エラリー・クイーンの冒険」のエピソードリストを併録。



うん、やっぱりクイーンは最高すぎる。


収録作全てが挑戦状付きとゆー本格ミステリ者にはたまらぬ作品。ラジオドラマのシナリオ集ってことなので、割と解決に至る伏線などは露骨(?)に張っているのですが、そこはさすがクイーンとゆーべきか、かなり巧みなテクニックで目晦ましを仕掛けているので油断していると「あれ?犯人当てそこなったよ?」となってしまうので侮ることなかれ。つーか全編すげークオリティ高いよな・・・こんなんがラジオで聞けていたとは当時のアメリカはすごい環境だったのね。


本書を読まれる際には是非とも「読者への挑戦状」の心意気に応え、「誰が犯人なのかなー」とガチで取り組んでみるのが一興かと。ちなみにワシは4勝3敗1分でした(;´Д`) (「分け」は犯人とトリックはわかったけど、密室からの脱出方法が見抜けなかったので)


本書が売れれば続編も出るらしいので、本書が市場に好評をもって受け入れられてるといいなぁ・・・。