小説感想 夢枕獏「涅槃の王」1巻



涅槃の王〈1〉幻獣変化 (祥伝社文庫)

涅槃の王〈1〉幻獣変化 (祥伝社文庫)


紀元前450年、若きシッダールタ(後の仏陀)は魔界ナ・オムの中心に聳える巨木・雪冠樹を目指していた。不老不死の鍵を握る"涅槃の果実"が十年に一度実を結ぶ大樹である。だが、ナ・オムには異形の幻獣たちが跋扈していた・・・。著者の処女長編にして、空前のスケールで描く超伝奇大河小説の金字塔!



元々は「幻獣変化」っつータイトルで出版された獏センセイの処女長編。(続編「神獣変化」と合わせ、「涅槃の王」として一つの話にまとまったよーです) つーわけで一応シリーズ1巻という扱いですが、本巻のみで割とお話的には完結しております。


で、内容ですが・・・。まぁ処女長編っつーことでかなり荒削りな部分が見受けられますが、それでもかなり獏センセイらしい作品であるっつーのが心憎い。キャラの会話とかアクション部分とか読む分には「ああ、獏センセイの作品だねぇ」っつー感じ。・・・なんですが、今の作品群と決定的に違うのは登場キャラクターの掘り下げなどをあまりやっていないゆえ、やたらスピーディーに話が進むため「え?もう終り?」的な物足りなさを感じるところかな。何しろキャラクター登場したと思ったらあまり見せ場もないうちにあっちゅー間に退場してしまうしw


獏ファンとしては十分納得の内容でした。とりあえず続編の「神獣変化」パートも楽しみだなっと。