小説感想 夢枕獏「鮎師」



鮎師 (文春文庫)

鮎師 (文春文庫)


小田原市カメラ店を営む菊村は、ある日、鮎釣りに早川へ出かけ、信じられない大きさの鮎の喰み跡を水中で見つけた。それが早川の巨大鮎との出会いであった。やがて菊村は、その巨大鮎を執拗に追い続ける初老の男、黒淵と知り合う。秘伝の毛鉤を使って鮎を追う男に惹かれる菊村も、いつしか巨大鮎に取り憑かれるのだが・・・。



獏センセイ版釣りキチ三平。でも釣りに興味がないと今ひとつピンと来るものがないかもだ。あまり鮎釣り用語の説明もされないし。(ちなみにワシはあまり興味はないけど、釣りキチ三平は全巻読破しているのでそれなりに知識はあります)


男同士の言葉ではなく行動によるたまらぬコミュニケーション、巨大鮎にのめり込んでいく一般人の偏執&狂気、「あいつを釣り上げるまでにゃぁ死ぬわけにはいかねぇ」とゆー執念などなど、読んでみれば「獏センセイだなぁ」とゆーしかない作品。ゆえに釣りに興味がなくともまぁ獏ファンなら問題なく楽しめるかと。