小説感想 門前典之「浮遊封館」



浮遊封館<ミステリー・リーグ>

浮遊封館<ミステリー・リーグ>


全国で「死体が消える」という不可解な事件が続発していた。
犠牲者の数が130人分足りない飛行機墜落事故。
監視者の目前で次々人が減っていく宗教団体。
また、身元不明死体ばかりが火葬されずにどこかへ運ばれているらしいとも。
さまざまな謎がやがて一本に繋がるとき、底知れぬ異形の論理が浮かび上がる。
ついに沈黙を破った鮎川賞作家による書下ろし!



うむ、期待通りのバカミス


まぁよく訓練されたバカミス読みならばこの粗筋から既に何かバカっぽい何かを感じられると思うのですが(偏見)、さすが「死の命題」の門前典之氏、久々の作品でもきっちりとよく訓練されたバカミスを上梓してくださいました。いやもうこんな荒唐無稽な一発ネタ(?)に全てを賭けるこの心意気、もう脱帽するしかありませぬ。・・・もっとも題材っつーかネタがある意味不謹慎極まりないので不快感を持つ方もいらっしゃるでしょーが、まぁこれはフィクションだし大目に見てくれっつーことでひとつ。(不謹慎DA!とかいちいち目くじらを立ててたらミステリなんて楽しめないZE!)


つーわけでバカミススキーには必読の書かと。次回作も読者のナナメ上を行くネタで勝負して欲しいなぁ。あと「死の命題」はガチのバカミスなのでどっかの出版社で復刊し、広く普及されることを望むものです。あれ、このまま埋もれさせるのは惜しいって、マジに。