小説感想 S･J･ローザン「チャイナタウン」

チャイナタウン (創元推理文庫)

チャイナタウン･プライドが運営する美術館から、寄贈まもない貴重な磁器が盗まれた。評判を憂えた役員らは事を公にせず、旧知のわたしに盗品の発見を依頼してくる。パートタイムのパートナーたるビルに声をかけ、街を仕切る中国人ギャングと美術品業界の調査に着手したわたしだったが、事件の周辺から二重三重の謎が湧き出してきた･･･。28歳の中国人探偵リディアと、酸いも甘いも噛みわけた中年の白人探偵ビル───真冬のチャイナタウンに、年齢も育ちもまるで違う男女が絶妙のコンビを展開する。清新な魅力に心が躍る、抜群のデビュー編。

＜リディア･チン&ビル･スミス･シリーズ＞第1作。


S･J･ローザン初トライ。長いこと続いているシリーズもの（現時点で8作）なんですが、読んで納得。なるほど、これは面白いなぁ。＜わたし＞ことリディア･チンの語り口がまずステキだし、パートナーとのビルとの掛け合いも楽しい。またチャイナタウンの登場人物たちもキャラが立っていて、悪党、善人、親兄弟などなど、この軽妙（でもちょっと重厚）なハードボイルドの世界観に凄く良い風を吹き込んでいます。プロットも結構込み入っていて、ミステリとしての読み応えもあり、読後感も上々とくればもう好感を抱くしかないじゃありませんかっ！


つーわけで早々にシリーズ2作目に取り掛かりたい所存。