小説感想 大倉崇裕「聖域」



聖域

聖域


「安西が落ちた」好敵手であり親友でもあった男の滑落の報せに、草庭は動揺する。認めたくない事実を受け入れようとした瞬間、草庭の頭に浮んだひとつの疑問───安西はなぜ滑落したのか?彼の登攀技術は完璧だった。山に登る上で必要な資質を、すべて具えた男だった。その安西が、なぜ?3年前のある事故以来、山に背を向けてきた草庭は、安西の死の謎を解き明かすために再び山と向き合うことを決意する!



うーむ。


山岳ミステリなワケなのですが、個人的にはちょいイマイチ感が。いや、山岳ものとミステリを巧く融合したプロットになってて、かつ感情的なところを極力廃して引っかかるところなく読めるのはいいんだけど、何かこう物足りなさがあるんだよなぁ。登攀シーンに迫力があるわけでなく、かといってミステリ部分のカタルシスで満足するかっつーとそーでもなく、じゃぁ主人公の成長ものなのかっつーとそれもあんまり感じられなかったっつーか。巧くまとまってはいるけど、何かインパクトが足りない作品。何つーかその、あまりにも淡々と話しが進みすぎる。読みやすくはあるんだけど・・・。


でも世間的には評価されている作品なので、ワシの感想など気にせずに買って読んでみればいいと思うよ!思うよ!