小説感想 柄刀一「ペガサスと一角獣薬局」



ペガサスと一角獣薬局

ペガサスと一角獣薬局


人はたやすく、永遠を望んではならない。


ユニコーン。ペガサス。ドラゴン。永遠の命と再生する館。伝説に秘められているのは、祈りかそれとも禍か。"世界の伝説と奇観"を取材するフリーカメラマンの南美希風が挑む、奇跡としか呼びようのない難事件。壮大にして奇想天外、柄刀一の真骨頂。



南美希風を探偵としたシリーズの短編集。5本の話が収録されております。内容は柄刀お得意のジャンル、奇想・幻想・怪奇的なシチュエーションにて発生した事件、即ち本格ミステリファンが涎を垂らしてしまいそうなブツばかり。発端は奇想天外、解決は論理的───島田御大が理想とする本格ミステリを地で行く内容に、読んでてワシは感動すら覚えましたよ、ええ。もちろんバカミス的な意味でな!


というか読んでて眩暈がするよーなトリックの連打なので人によっては( ゚д゚)ポカーン となること必至。とりわけ「光る棺の中の骸骨」の犯人の労力には頭がガチで下がりますぜ。頑張った・・・!お前はよく頑張った・・・ッ!「そこまでやらずとも他に処理の方法あったんじゃね?」という無粋なツッコミはなしの方向でひとつ。


ワシは大好きだけど、これは正直読み手を選ぶかも。本格ミステリ好きなら「まぁ、アリだよな」とは思いますが・・・。