小説感想 エドワード・D・ホック「サイモン・アークの事件簿 1」



サイモン・アークの事件簿〈1〉 (創元推理文庫)

サイモン・アークの事件簿〈1〉 (創元推理文庫)


73人もの人間が崖から飛びおりた、謎の大量自殺事件を取材に出かけたわたしは、現場の村で不思議な男性と知り合う。その男は、悪魔の存在証明や真の超常現象を追い求め、世界を旅しているのだという。年齢二千歳とも言われる彼の名は、サイモン・アーク───。シリーズ第1作にしてホックのデビュー作でもある短編「死者の村」を巻頭に、自薦作品の中からさらに精選した10編を収録した、オカルト探偵アーク待望の第一短編集。黒魔術、狼男、悪魔崇拝、妖精・・・世界じゅうで起きる怪異な事件に、快刀乱麻の推理力で挑むアークの活躍をご照覧あれ。



うん、まぁ、その、それなり。普通に面白かったっす。・・・としか言えないなぁこれ。短い中にオカルトじみた発端から論理的にきっちりケリが付く結末まで、起承転結に富みどの話もサクサク読めるんですが、なンつーか、その、カタルシスが今ひとつ足りない気がする。テンポが良すぎるゆえの「あれ?もう解決?」的な物足りなさっつーか。ネタとしては「ええー」とバカ極まるものから「うーむ」と唸らされるものまでバラエティー豊かなんだけどなぁ。でもまぁ10編という大量の短編が収録されているので数でカバーしたってことで別にいいか。


基本的なノリとしては同文庫の「サム・ホーソーンの事件簿」とあんまり変わりません。サム先生は「不可能犯罪」、アークは「オカルト風味」という感じ。「どっちも大して変わりねーYO!」とゆーツッコミは無しな。という訳でホック好き、並びにパズラー的本格ミステリ(このニュアンス伝われ!)がお好きならどぞ。