小説感想 三津田信三「スラッシャー 廃園の殺人」



スラッシャー 廃園の殺人 (講談社ノベルス)

スラッシャー 廃園の殺人 (講談社ノベルス)


ホラー作家が怪異的理想をこめて造り上げた廃墟庭園。<魔庭>にこもっていた作家は姿を消し、肝試しに忍び込んだ大学生達は遺体で発見された。その廃園を格好の舞台に選んだビデオ映画スタッフに、忍び寄る黒い影・・・。惨劇の恐怖をこえて至る、衝撃的な結末。これぞ怪奇にして、完全なるミステリー作品!



三津田せンせはほんとにスプラッター好きだな!読んでてヒシヒシと愛が伝わってきたぜ。残虐行為手当て虐殺・拷問のシーンは恐らくノリノリで書いていたに違いない。前書きに「たとえ犯人がバレバレでも良いのです。最後まで仮面やマスクを被ってれば!ひょっとして自分は騙されているかも?という妄想が楽しめますので」とあるとおり、割と犯人バレバレなんだよな本書。まぁホラーつーかスプラッタつーかサスペンスつーか、愉快な殺人劇が楽しめることには間違いないので、「犯人うんぬん」の点は何ら本書の魅力を損ねるもんじゃないけど。でもぼんやり読んでると「うぉ?」という仕掛けに翻弄されてしまったりもするので「本格じゃねーのかよ」と侮らずに読んでもらいたいものでありんす。


つーわけでグロが苦手な方以外には普通にオススメできる作品。面白かったよん。