アメコミ感想 「バットマン キリングジョーク完全版」
バットマン:キリングジョーク 完全版 (ShoPro books)
- 作者: アラン・ムーア(作),ブライアン・ボランド(画),秋友克也
- 出版社/メーカー: 小学館集英社プロダクション
- 発売日: 2010/01/21
- メディア: 大型本
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最悪の一日が、幕を開ける───。
アーカム精神病院からゴッサム最凶の犯罪王ジョーカーが消えた。脱獄に成功したジョーカーは、ゴッサム市警本部長ゴードンを拉致し、フリークスの集まる遊園地で、ある実験を試みる・・・。絶望的な状況下において、人はどこまで正気でいられるのか?そしてジョーカーを狂気に駆り立てる「過去」とは?アメコミ界の異端児アラン・ムーアが、ジョーカー誕生の秘密を描く!
ジョーカーさんマジ狂人。
数年前に日本オリジナル短編集で出版されてたキリングジョークの再販版。再販に伴い、「キリングジョーク」&「罪なき市民」の2本が収録された内容になりましたが、キリングジョークを読めただけでもワシは大満足ですよ。何このクオリティー。すげぇとしか言い様がない。
とにかく本作ではジョーカーさんの狂人の理論が大いに披露されており、それがいちいち説得力あるシロモノであるというこの始末。作画を担当したボランドさん入魂のジョーカーの表情がいちいちステキで大変たまりません。一市民であった道化師がジョーカーになった瞬間の絵とかもう狂気が狂気を呼び失禁ものですよ。あと「何でこんなこともわからないの?」ときょとん、としたジョーカーの表情とか。もう最高すぎる。
そしてアラン・ムーアのシナリオがまたイカス。前述したよーに狂人の狂人たる所以であるところの狂人の理論とかはムーアさんが力入れたところなのかと思われますが、ラストでジョーカーとバットマンが対峙し、バットマンがジョーカーに語りかけるシーンとかもう鳥肌ものですよ。読者にはその時点でジョーカーの過去を知っているので、「なんか・・・笑えるよな。いつか聞いたジョークみてぇだ」というジョーカーのセリフが心に染みる。
ちょっとお高いですが、満足度は相当なものなのでワシとしては大いにオススメしたい作品です。アメコミ面白いよ!