米澤穂信「秋季限定栗きんとん事件」(上下)



秋期限定栗きんとん事件〈上〉 (創元推理文庫)

秋期限定栗きんとん事件〈上〉 (創元推理文庫)



秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6)

秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6)



色々と酷い。


青春とは甘酸っぱいものではなく、漆黒の闇のよーな黒と深さを持ったものなのか・・・ということに気付かされました。何これ超怖いンですけど。島本御大の傑作「逆境ナイン」にて「若いうちは増長も良し!」と校長先生が仰られておりましたが、増長の行き着く果てが「ごらンの有様だよ!」というシロモノならば断じて若者は増長すべきではないとワシは思います。でないと社会復帰も困難なほど再起不能になってしまうぞよ。本書を読めばワシがそう言う意味が分かるはずだ。


本格ミステリっつーよりはもうノワール的な味わいが強いンじゃね?これ。何かもうあれですよ、ソフトなジム・トンプソン的な作品っつー方がこの本の魅力伝えている気がする。小鳩くンの狂人っぷりもますます磨きがかかっているし。狂人は小市民のマネをしても狂人であることに変わりはないンだぜ。とにかく素晴らしい暗黒青春小説だったのでこれは皆読むべき