ジェフ・リンジー「デクスター 幼き者への挽歌」



デクスター 幼き者への挽歌 (ヴィレッジブックス)

デクスター 幼き者への挽歌 (ヴィレッジブックス)


デクスター・モーガン。表の顔はマイアミ警察の鑑識技官であり、人当たりのよい好青年。だが裏の顔は―殺人衝動を抑えきれず、満月の夜に悪人を狩る闇の仕置人だった!あるときデクスターは、警察官である妹のデボラから、一滴の血も残っていないという奇妙な連続殺人事件の捜査を手伝ってほしいと頼まれた。殺人鬼の心理を知りつくすデクスターは、手がかりを猛追跡し真相に肉薄してゆくが、やがて犯人とのおかしなシンクロニシティが起こりはじめる。殺人者の正体はいったい?次の獲物は?数多のミステリー賞にノミネート、米で放映中のドラマも話題沸騰の大人気ミステリー。



デクスターさンマジ狂人。


これは実に素晴らしいサイコ野郎ですね。理想的な狂人と言えましょう。狂人の狂人による狂人の論理を展開するデクスターさンマジぱねぇ。デクスターさンは自分が狂人であることをよーく知ってらっしゃるので、何とか周囲に溶け込もうと必至に偽装するデクスターさンマジ努力人。あと何気にオヤジも狂人。

「パパ!どうしてもこの殺人衝動を抑えられないンだ!」
「デクスターよ・・・ならば悪党をぶち殺すのだ」
その発想はなかったわ



悪党をぶち殺せじゃねぇ。父ちゃンもマジで自重しろ。こうして道を見出されたデクスターさンは悪党をもりもり殺す作業に邁進するのであったとさ。めでたしめでたし。


というのは本書に一部にしか過ぎないのですが、これだけでも十分お釣りが来るレベルだと思いました。ストーリーもジェットコースター的展開で、テンポよく猟奇事件が発生。適度に盛り上がりを保ち、中だるみ無しに読み進められます。猟奇殺人犯と微妙にシンクロしていき周囲から変な目で見られていくデクスターさンの運命やいかに。バカミス的にも見逃せないぜ!


ドラマもこンな展開ならちょっと見たい。