ジョン・ソール「マンハッタン狩猟クラブ」



マンハッタン狩猟クラブ (文春文庫)

マンハッタン狩猟クラブ (文春文庫)


無実の罪で投獄直前、拉致された青年ジェフ。解放されたのは広大なニューヨーク地下鉄構内だった。異常殺人犯とコンビを組まされたジェフに“ゲーム”の開始が告げられた───闇に閉ざされた迷路を駆ける彼らを完全武装の男たちが追う。冷酷な狩人たちの正体は?そしてジェフはこの絶望的な死地から脱出することができるのか。



一気読みサスペンス。


地下鉄構内を舞台にしたマンハント、狩るものと狩られるものの攻防をたっぷり描写したB級ど真ン中のボンクラアクションもの・・・と見せかけて、どっちかっつーとアクションよりも「地下」の描写をメインとしたサスペンスちっくな内容になっております。地下を彷徨うジェフと相棒の殺人鬼、地上でジェフの行方を追うその恋人と両親・・・狩られる側の描写にかなり筆を費やしているのですけど、この緊張感が半端ない。ときおり挿入される狩る側の描写と相まってめちゃめちゃドキドキしながらページを捲らされますよ。そしてやってくる終盤のカタルシス。大変楽しいと言わざるを得ない。


つーわけでオススメ。ちなみに同シチュエーションでもっとアクション中心の作品が読みたい場合は、東出祐一郎「ケモノガリ」をオススメしておきます。こっちも面白いよ!ボンクラ野郎にはこっちの方がハートに響くかもしれない