飛浩隆「ラギッド・ガール 廃園の天使2」



ラギッド・ガール―廃園の天使〈2〉 (ハヤカワ文庫JA)

ラギッド・ガール―廃園の天使〈2〉 (ハヤカワ文庫JA)


人間の情報的似姿を官能素空間に送りこむという画期的な技術によって開設された仮想リゾート“数値海岸”。その技術的/精神的基盤には、直感像的全身感覚をもつ一人の醜い女の存在があった───“数値海岸”の開発秘話たる表題作、人間の訪問が途絶えた“大途絶”の真相を描く書き下ろし「魔述師」、“夏の区界”を蹂躙したランゴーニの誕生篇「蜘蛛の王」など全5篇を収録。“数値海岸”開設から長篇『グラン・ヴァカンス』に至る数多の謎を明らかにし、現実と仮想の新たなる相克を準備する“廃園の天使”シリーズ待望の第2章。



今年のベスト。


今年読ンだ中でベストと即断言してもよい作品。いやこれ凄いですよ。SF的アイデアとストーリーが超高レベルで融合しており、読ンでてアイデアに圧倒されビジュアルに圧倒されストーリーに圧倒される、もうお脳を蹂躙されまくりな体験ができる作品ですよ。「魔述師」とかラストの美しさと残酷さがもうあり得ないくらいのレベルで融合しており泣けることこの上ない。SFは絵だなぁ。


他にもミステリ的捻りを加えた表題作「ラギッド・ガール」や、ランゴーニ誕生譚「蜘蛛の王」など読みどころ多い作品ばかり。ラギッド(ざらざらした)な話がここにある